SIGMA DP1

デジタルカメラの弱点は何か?
と聞かれて昔は答えられなかったな・・・。というかそんな事を聞く人はなかなかいないだろうけど(笑)
銀塩写真をやるようになって、「写真って本来こういうっものだったんだ」って直感的に感じた部分もある。たとえば、マニュアルでフォーカスを合わせること。NIKONのマニュアルフォーカスフラッグシップ機を使ったときに視野率100%の使いやすさ、明るさに、自分で撮っているんだという感覚を覚えた。意外に慣れるのは早く、逆にどんなフォーカシングポイントでも自由に構図を構築できるあの機動力は動態以外では最強。あとマニュアル機といえば、フィルムを巻く感触。あれはやったことがある人しかわからない極上の時間を演出してくれる。マニュアルフィルムカメラを手に、自然に触れ合うことで、ゆっくりとした時間が流れる・・・。
とまあこれはデジタルとの比較というよりマニュアルかオートかの違いの話かもしれないので話をもどすと、①デジタルの弱点は反射率の高すぎるセンサー、②前にも書いたラチチュードの狭さ、③ローパスフィルターを通すことによる偽色の発生。フィルムで撮った写真を、フィルムスキャナでスキャンすると驚くほど白が飛んでいない。諧調の滑らかさには本当に感動する。逆光を思いのままに撮れるしこれまたすごい。また、APS-Cサイズ主流な昨今のデジタルには真似できない35mmならではの豊富なボケと、自然な立体感が本当の写真ってものを教えてくれた気がする。とまあこれは①、②についてなんだけど、③についての話題が今回の焦点。現在普及しているほとんどのデジカメはCCD自体がベイヤー配列という四角の横並びになっており、RGGBの4色を組み合わせることで基本色を構築し、さらにローパスフィルターと呼ばれる色と色の間の色を機械的に補色することによって色が発生している。となると、本来人間が見ている色とまったく違う噓の色が混じっていることになる。この偽色によって、見た目と違う画が生まれる。たとえ自然の色を人間が感動的に感じ取って写真にしようとしてもそれを完全に再現できていない。
フィルムの場合当然原理的に偽色は発生しない。それは私が身をもって経験したし、できた写真の自然な立体感がそれを証明すると思う。
さてさて、こんなデジタルの致命的弱点なんだけど、偽色を原理的に発生させない唯一のカメラがあったんですねえ。
SIGMA DP1
これ、ものすごい(笑)。フォビオンイメージセンサーという独自開発のセンサーにより(原理は省きますが)本当に偽色がでない。そうすると、撮った画の空気感とか、自然な立体感とかがまったく別次元。デジタル一眼レフカメラが飛ぶように売れる時代になったけど、正直こいつらでも勝てる気がしない。というか勝てなかった。ラチチュードのそれなりに広く、頑張れば逆行も撮れる。フレアは気にすんな(笑)。単焦点で35mm換算28mm相当っていう広角カメラなんだけど、なにかこう銀塩で行う一連の動作、つまり構える、自分で寄って構図を決める、ピントを合わせる、露出を決めるという流れを感じながら撮ることに没頭できるカメラ。いかに最近のカメラが便利な機能をつけすぎるがあまり、同じような写真しか撮れないかが解る。デジタルの利便性、255gというコンパクトカメラばりの軽快感、コンパクトなのに撮像素子はAPS-C相当といった一眼レフの強みを、コンデジのサイズに見事収めた傑作カメラだと思う。たしかに一眼レフの方がやれることは多いけど、毎日持ち歩くには大きすぎるし重過ぎる。この軽快感こそ、日常を切り取るにはふさわしい。とにかく最近はこれ一本使っている気がします。もうすぐ50mm相当の兄弟機DP2が出る。ほすぃいいいい!

SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
SIGMA DP1 28mm
ここでは書ききれないのでまた今度DP1のオプションについてレビューしまっす。